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投稿者募集

第15回 東アジアと同時代日本語文学フォーラム 2027
発表者の募集

東アジアと同時代日本語文学フォーラムでは、第15回大会(2027年7月開催)の発表者を募集します。

日程と会場は以下の通りです。

第15回 東アジアと同時代日本語文学フォーラム 特集趣旨文

変容する日本語文学 メディアとテクノロジーが拓く地平

 言葉をめぐる世界の状況は、ここ数年で大きな転換点を迎えている。インターネット上に生み出されていく言葉において典型的だが、生成AIの手を借りて作成した記事や、場合によっては生成AIが出力した記事そのままが掲載されるようになっている。文学の創作の世界も、この動向と無縁ではない。2024年(第170回)の芥川賞受賞作「東京都同情塔」は、著者九段理江が生成AIで作った文章を作品の一部に利用していたことで話題を集めた。

 とはいえ、歴史的に振り返れば、このような変容はさして珍しくはなかったとも言える。近代に限っても、新聞や雑誌というメディアは、文学作品の産出と流通と享受の場を大きく変えた。書物のかたちも、和装本から洋装本へとその姿を変え、人びとの蔵書のあり方と読書のスタイルに変化をもたらした。1980年代のワープロの登場は、作家の執筆環境や執筆プロセスを大きく変え、十数年後にはパーソナルコンピュータへとその道をゆずり、そして1990年代後半のインターネットの普及が後押しした電子書籍は、「紙の書物」という固定概念さえ揺るがした。いずれも、テクノロジーが新たなメディア環境を作り出して来た歴史である。

 文学もまた、その時代時代の中で、あるいは姿を変え、あるいは姿を守ろうとしてきた。それを運ぶメディアも、そして享受する読者とその読書環境も、変化を続けてきた。携帯電話(スマートフォン以前)の普及と連動した小説投稿サイトの登場と、そこから生じた「ケータイ小説」(ちょっと例が古すぎますが…)の例を挙げてもよいし、ボーカロイドソフトの普及によって生まれた楽曲から派生したアニメーション、さらにそこから派生した「ボカロ小説」の登場などにも考えが及ぶ。

 一方、 これまでにない変化が起きているのは日本語文学の翻訳かもしれない。機械翻訳の精度は、劇的に上昇した。翻訳をめぐるテクノロジーの進化は、翻訳に携わる人の働き方を変えるだけでなく、翻訳をめぐる価値観にも変容をもたらし、翻訳に関わる研究や教育にも影響を及ぼしている。たとえばそれは、「AI翻訳を使えばすぐ言葉の意味がわかるのだから学ぶ必要がない」といった意識からくる外国語学部の不人気という形で、深刻な影響を与えつつあり、外国文学を原語固有の表現を意識して読める人が減っていく可能性もある。近年の世界文学論の基礎となってきたのは翻訳論であるが、翻訳という営為が大きな曲がり角を迎えているのかもしれず、翻訳の変容は、作品の国境の越え方、言語の越え方にも影響を与える可能性がある。

 大きく揺れ動いた近現代文化史を踏まえながら、あらためて近現代における日本語文学の変容を、メディアとテクノロジーに注目しながら再考したい。そこには、生成AIに代表される先端的なテクノロジーが大きく社会の姿を変えつつある現代における、日本語文学および日本語文学研究の「いま」と「これから」も考えるという課題も含まれる。新しいテクノロジーの登場はどのような環境を、文学に用意したのか。それぞれの時代の雑誌は、どのような場として作家たちに作用したのか。どのようなメディアによって、いかに日本語文学は海外の読者へと運ばれたのか。生成AIの力は、どのように文学創作と受容を、そして文学の研究を変えつつあるのか。さらに、小説がメディアを、テクノロジーをどう描き出したのかという表象の問題も考える必要があるだろう。

 第15回「東アジアと同時代日本語文学フォーラム」は、タイのバンコクにおいて開催する。開催地であるタイにおいても、生成AIの普及やAIをめぐる現在の状況は目まぐるしいという。その状況を学びながら、現在、そして今後の日本語文学との出会い方や読み方、文学研究のあり方について、議論を深めたい。折しも2027年は、タイと日本が修好宣言に調印して140周年に当たる。本特集の議論が、日本語文学・日本文化の研究に、新しい展開を切り拓くことを期待する。

『跨境 日本語文学研究』投稿者の募集

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