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第14回 東アジアと同時代日本語文学フォーラム 2026
「次世代フォーラム」発表者の募集

東アジアと同時代日本語文学フォーラムでは、2026年度次世代フォーラムの発表者を募集します。日

程と会場は以下の通りです。なお、大学院生以外が発表する「本大会」の募集は、今回はありません

第14回 東アジアと同時代日本語文学次世代フォーラム・特集趣旨文

死者(へ)の想像力

 考えてみれば、日本語文学は常にその表現の歴史のなかで「死者」への想像力を広げ、それとの関係性を言語化しようと試みてきたのではなかったか。戦争の犠牲者たち、虐殺された者たち、災害の中で命を落とした者たち、刑死した者たち、自死した者たち、遺棄された者たち、もちろん、家族や愛する人に看取られた者たちも──。近現代の日本語文学は、多くの死者たちを繰り返し描いてきた。

 ジャック・デリダの亡霊論に依拠した憑在論が広がった背景には、死者を忘れてはならないという現代を生きる私たち生者の責務の意識がある。なにもしなければ死者たちはおそろしいほどの速度で遠ざかっていく。死者たちを見えなくし、忘れさせようとする力さえも、社会の中にはあるはずだ。私たちは耳を澄ます必要がある。消え去ろうとする死者の声に。だが、それは誰の声か。どうやって、耳を澄ますのか。

 ジャック・デリダの亡霊論が典型だが、死者は「過去の存在」ではなく、儀式・倫理・記憶・政治・物語を通じて現在に作用する存在として、繰り返し理論化されてきた。死者への応答責任、生者の現在の構成、記憶と記録のあり方、公共空間での現れ、証言を聞くこと、喪や忌避と主体化、鎮魂、英雄化、隠蔽、告発──。多くの切り口がある。考えを進めれば、「死者」を人間に限ってはならないのかもしれない。私たちはあまりに多くの生物たちを、日々、死に追いやっているのではないのか。さらに、死者の存在自体に、特定の生を選別し、管理・遺棄し、死を側面した生を強いる権力構造であるネクロポリティクスが作用している。

 今回の特集では、こうしたさまざまなキーワードやパースペクティブを念頭に置きながら、日本語文学と文化を題材にしてその東アジア、東南アジアにおける表象と想像力を問い直す。題材となり得るのは、いわゆる「純文学」だけではないだろう。ミステリーやホラー、歴史物、ドキュメンタリーなど数多くのジャンルが、このテーマに関わっている。虚構としての文学作品には、虚構だからこそ描ける世界がある。そこでは、語らないはずの死者が語ることさえできるのだ。多くの、多様な応答を期待したい。

『跨境 日本語文学研究』投稿者の募集

『跨境 日本語文学研究』では、研究論文、研究資料の原稿を募集しております。詳細な投稿規定や原稿の様式、査読の規定などにつきましては、当フォーラム公式HPをご参照下さい。また投稿の際も、下記の論文投稿フォームをご使用下さい。

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